三つの指輪に宿る主人との思い出

私達は国際結婚でした。何故、過去形かといいますと3年前、主人は他界しました。
4年以上にわたる闘病生活でした。
そんな主人にもらった三つの指輪がここにあります。
一つ目は婚約指輪です。
私達が知り合ったのは海外です。
主人は婚約にあたり、仕事を辞め山形で薄毛治療を検討し、故郷から遠く離れた日本に移住してきました。
一つ目の指輪は、その時、主人が持ってきた、金色でクリスタルが入った婚約指輪です。金色というだけで、素材は金ではありません。
当時、同棲していた私達はその日暮らしといっても過言ではない位の貧乏生活でした。ですから、その婚約指輪は私にとっては何億もするダイヤモンドのごとく、輝いて見えました。
その後、仕事が見つかり、生活は安定しました。
そこで結婚しました。その時作った結婚指輪が二つ目の指輪です。
ピンクシルバーのペアリングで、内側にそれぞれ二人の名前が刻印してあります。
いつも私達はこの指輪をしていました。
そして三つ目が誕生日に主人からもらった、金に三粒のダイヤが並んだ指輪です。
なぜ、この指輪をくれたかといいますと、婚約指輪があまりにも貧相だったのがずっと気になっていたようです。
主人が他界してしまった今、自分で買うことはあっても、もう指輪をもらうことはないと思います。
この三つの指輪は私たちの歴史を物語っているような気がしています。同時に、主人の愛情を今なお、感じ取ることが出来る宝物でもあります。